沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法(沖縄位置境界明確化法)


(昭和五十二年五月十八日法律第40号)

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最終改正:平成一一年一二月二二日法律第160号

(目的)
第1条  この法律は、沖縄県の区域内において位置境界不明地域が広範かつ大規模に存在し、関係所有者等の社会的経済的生活に著しい支障を及ぼしていることにかんがみ、その位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化のための措置等の緊急かつ計画的な実施を図り、もつて沖縄県の住民の生活の安定と向上に資することを目的とする。

(定義)
第2条  この法律において「位置境界不明地域」とは、沖縄県の区域内において、太平洋戦争による破壊又はアメリカ合衆国の軍隊の行為によつて、土地の形質が変更され、又は土地登記簿及び地図が滅失したことにより、各筆の土地の位置境界が明らかでないこととなつた土地が広範に存在する地域として、政令で定めるところにより、内閣総理大臣又は防衛施設庁長官が指定したものをいう。
 この法律において「実施機関の長」とは、位置境界不明地域内の土地のうち、駐留軍用地等以外の土地については内閣総理大臣をいい、駐留軍用地等については防衛施設庁長官をいう。
 前項に規定する駐留軍用地等とは、位置境界不明地域内の土地のうち、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の際沖縄県の区域内においてアメリカ合衆国の軍隊の用に供されていた土地で、引き続き、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の規定に従い駐留軍(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊をいう。以下同じ。)の用に供され、又は自衛隊の部隊の用に供されたもの及びこれらの土地が存する市町村の区域内の町又は字(大字を除く。)の区域(以下「字等の区域」という。)内の土地で、これらの土地以外のものをいう。

(位置境界明確化のための計画等)
第3条  実施機関の長は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化のための措置に関する計画を定めなければならない。
 前項の計画は、昭和五十二年度からおおむね五年の間に位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界が明らかとなることを目途とした内容のものでなければならない。
 政府は、第1項の計画の達成に必要な措置を講ずるものとする。
 沖縄県及び関係市町村は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化のための措置について協力しなければならない。

(実施機関の長の協議)
第4条  内閣総理大臣及び防衛施設庁長官は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化の方法及び時期その他前条第1項の計画の作成及び達成のために必要な事項について協議しなければならない。

(地図の作成)
第5条  実施機関の長は、位置境界不明地域に係る市町村の境界及び当該市町村の区域内の町又は字の区域並びに位置境界不明地域に係る道路、河川、用排水路、墳墓、立木竹、石垣、井戸その他の位置境界不明地域について字等の区域内の各筆の土地の位置境界を明らかにするため参考となる物が現に存在し、又は存在した場所を記載した地図を速やかに作成しなければならない。
 実施機関の長は、前項の地図の作成に当たつては、関係人から土地について事情を聴取するとともに、土地の調査その他の方法により、各筆の土地の位置境界を明らかにするための物その他の資料の発見に努めなければならない。
 実施機関の長は、第1項の地図を作成しようとするときは、市町村の境界にあつては沖縄県知事及び関係市町村長と、市町村の区域内の町又は字の区域にあつては関係市町村長と、それぞれ協議しなければならない。

(地図の作成への協力)
第6条  位置境界不明地域内の土地の所有者は、前条第1項の地図の作成について、資料の提供その他の方法により協力しなければならない。
 関係行政機関の長は、前条第1項の地図の作成について協力しなければならない。

(地図等の閲覧)
第7条  実施機関の長は、第5条第1項の地図を作成したときは、直ちに、内閣府令で定めるところにより、当該地図並びにこれに関する写真及び書面を一般の閲覧に供するとともに、その旨を公告しなければならない。

(関係所有者の代表者の選出)
第8条  位置境界不明地域内の土地の所有者は、前条の公告があつたときは、当該公告のあつた位置境界不明地域に係る字等の区域(政令で定めるところによりこれを区分したときは、その区分した区域)ごとに、当該区域内の各筆の土地の所有者(以下「関係所有者」という。)の過半数の合意により関係所有者のうちから代表者を定めなければならない。
 前項の規定により代表者として定められた者は、内閣府令で定めるところにより、その住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を実施機関の長に届け出なければならない。

(地図等の交付)
第9条  実施機関の長は、前条第2項の届出があつたときは、内閣府令で定めるところにより、同条第1項の代表者に対して第5条第1項の地図並びにこれに関する写真及び書面を交付するとともに、その交付した旨その他政令で定める事項を公告しなければならない。

(関係所有者による位置境界の確認の協議等)
第10条  実施機関の長は、第5条第1項の地図並びにこれに関する写真及び書面を第8条第1項の代表者に交付したときは、関係所有者に対し、内閣府令で定めるところにより、全員の協議により、同条第1項の区域内の各筆の土地の位置境界を確認するよう求めなければならない。
 関係所有者は、前項の確認を求められた場合においては、全員の協議により、速やかに、第8条第1項の区域内の各筆の土地の位置境界を確認するように努めなければならない。
 関係所有者は、前項の規定による確認前に、政令で定めるところにより、第8条第1項の区域内の土地に関して所有権以外の権利を有する者の意見を求めなければならない。

(協議に対する援助)
第11条  実施機関の長は、前条第2項の協議が行われる場合においては、第8条第1項の区域内の各筆の土地の位置境界を明らかにするための資料の提供、その所属の職員の派遣その他当該協議が円滑に行われるために必要な援助を行わなければならない。

(位置境界の確認等)
第12条  関係所有者は、第10条第2項の協議により第8条第1項の区域内の各筆の土地の全部又は一部の位置境界(隣接する土地の間の境界について争いがある場合には、当該境界を除く。以下同じ。)が確認されたときは、内閣府令で定めるところにより、全員で、実施機関の長に対し、その旨及び協議の内容を通知しなければならない。
 実施機関の長は、前項の規定による通知を受けたときは、その通知に係る土地の所有者に対し、その通知に係る土地の位置境界を現地に即して確認するため立ち会うべき場所及び期日その他必要な事項を通知しなければならない。
 前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由のある場合を除き、その通知に従い、その場所に立ち会つて、第1項の通知に係る土地の位置境界を現地に即して確認しなければならない。この場合には、実施機関の長は、その所属の職員を立ち会わせなければならない。
 実施機関の長は、前項の規定により土地の位置境界が現地に即して確認されたときは、直ちに、その土地の位置境界を表示した図面及びその土地の地番、所有者その他内閣府令で定める事項を記載した書面を作成し、これに、同項の規定により立ち会つた者に署名押印させなければならない。

(実施機関の長の勧告)
第13条  関係所有者は、第10条第2項又は前条第3項の規定により土地の位置境界を確認しようとする場合において、必要があると認めるときは、書面をもつて実施機関の長に対し、当該土地の位置境界について勧告をするよう申し出ることができる。
 実施機関の長は、前項の規定による申出があつたときは、その申出に係る土地の位置境界について勧告をすることができる。
 実施機関の長は、前項の規定により勧告をしようとするときは、あらかじめ、駐留軍用地等以外の土地にあつては沖縄総合事務局に置かれる政令で定める審議会、駐留軍用地等にあつては沖縄県の区域を管轄する防衛施設局に置かれる政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。

(地籍調査に準ずる調査)
第14条  実施機関の長は、第12条第4項の書面により第8条第1項の区域内の各筆の土地の全部又は一部の位置境界が明らかとなつたときは、速やかに、当該土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成しなければならない。
 前項の地図及び簿冊の様式は、国土調査法(昭和二十六年法律第180号)第2条第1項第3号の地籍調査に係る地図及び簿冊の例による。
 国土調査法第7条及び第25条第1項の規定は第1項の規定による調査及び測量について、同法第17条の規定は同項の規定により作成された地図及び簿冊について準用する。

(他人の土地への立入り)
第15条  実施機関の長は、第5条第1項の地図の作成並びに前条の規定による調査及び測量のため必要があるときは、その所属の職員又はその指定する者を他人の土地に立ち入らせることができる。
 実施機関の長は、前項の規定によりその所属の職員又はその指定する者を宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、当該土地の占有者に通知しなければならない。ただし、占有者に対して、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
 第1項の規定により他人の土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、所有者又は関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(土地の立入りに伴う損失の補償)
第16条  実施機関の長は、前条第1項の規定による立入りにより他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 前項の規定による損失の補償については、実施機関の長と損失を受けた者とが協議しなければならない。
 前項の規定による協議が成立しないときは、実施機関の長又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第219号)第94条第2項の規定による裁決を申請することができる。

(地図及び簿冊の認証の申請)
第17条  実施機関の長は、第14条第3項において準用する国土調査法第17条第1項の規定により閲覧に供された地図及び簿冊について同項の閲覧期間内に第14条第3項において準用する同法同条第2項の規定による申出がないとき、又は同項の規定による申出があつた場合において、その申出に係る事実がないと認めたとき、若しくは第14条第3項において準用する同法同条第3項の規定により修正を行つたときは、速やかに、同法第19条第5項の国土調査の成果としての認証を申請しなければならない。

(地図及び簿冊の保管等)
第18条  実施機関の長は、国土調査法第19条第5項の規定による指定があつたときは、その指定に係る地図及び簿冊を保管し、一般の閲覧に供しなければならない。
 実施機関の長は、前項の地図及び簿冊の写しを沖縄県知事及び関係市町村長に送付しなければならない。

(返還地の利用促進のための措置)
第19条  政府は、沖縄県の区域内においてアメリカ合衆国の軍隊から返還された位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界が明らかとなつた場合において、土地区画整理法(昭和二十九年法律第119号)による土地区画整理事業若しくは土地改良法(昭和二十四年法律第195号)による土地改良事業又はこれらの事業に類する事業を実施しなければその所有者による利用が困難である土地があるときは、これらの事業の推進のために必要な措置を講ずるものとする。

(土地又は建物等の買取りのための資金の融通等)
第20条  政府は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界が明らかとなつた場合において、当該土地に所有者以外の者が建物その他の工作物を設置しているときは、当該土地の所有者から当該土地の買取りの申出を受けた当該土地に建物その他の工作物を設置している者又は当該土地に建物その他の工作物を設置している者から当該建物その他の工作物の買取りの申出を受けた当該土地の所有者に対して、必要な資金の融通又はあつせんに努めなければならない。

(土地の交換等のあつせん)
第21条  政府は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界が明らかとなつた場合において、当該土地の所有者がその所有に係る土地とその所有に係る土地以外の土地との交換又は買換えを希望したときは、当該交換又は買換えのあつせんに努めなければならない。

(財政措置等)
第22条  国は、第3条第1項の規定により内閣総理大臣が定めた計画に係る位置境界不明地域内における政令で定める公共施設の整備について、政令で定めるところにより、関係地方公共団体に対し、必要な財政措置を講ずるものとする。
 国は、前項に規定する位置境界不明地域内における政令で定める公共施設の整備で他の法令の規定により当該公共施設の管理を国が行うこととされているものについて、その促進を図るものとする。

(返還地の原状回復)
第23条  沖縄県の区域を管轄する防衛施設局の長は、第3条第1項の規定により防衛施設庁長官が定めた計画に係る位置境界不明地域内の土地(その所有者との合意により駐留軍又は自衛隊の用に供されていた土地に限る。)が駐留軍又は自衛隊から返還された場合において、当該土地を原状に回復することが著しく困難であるとき、又は当該土地を原状に回復しないでもこれを有効かつ合理的に使用することができると認められるときは、その所有者の同意を得て、その土地を原状に回復しないで、その所有者に返還することができる。
 前項の場合においては、土地の所有者及び関係人の受ける損失は、補償しなければならない。

(駐留軍等が使用している土地の買入れ)
第24条  国は、政令で定めるところにより、第3条第1項の規定により防衛施設庁長官が定めた計画に係る位置境界不明地域内の土地で駐留軍又は自衛隊の用に供されているものの所有者が、当該土地の買入れを申し出るときは、予算の範囲内において、当該土地を買い入れることができる。

(事務の委任)
第25条  この法律の規定により内閣総理大臣又は防衛施設庁長官の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長又は沖縄県知事に委任することができる。

   附 則

(施行期日)
 この法律は、公布の日から施行する。
(この法律の施行前の行為についての経過措置)
 この法律の施行前に沖縄県の区域を管轄する防衛施設局の長、沖縄県知事又は位置境界不明地域内の土地の所有者がした行為で、第5条、第9条、第10条又は第12条第1項から第3項までの規定による行為に相当するものは、それぞれ、これらの規定によりされたものとみなす。この場合において、この法律の施行前に第12条第1項の規定による通知に相当する通知があつたときは、第7条又は第9条の規定による公告は、することを要しない。
(この法律の施行の際位置境界が明らかな土地についての措置)
 この法律の施行の際沖縄県の区域内の土地で、現地調査書(現地における調査の結果を記載した書面で、その内容について字等の区域内の土地の所有者の全員が同意したものをいう。以下同じ。)によりその位置境界が明らかとなつているものについては、第14条から第18条までの規定を準用する。ただし、当該現地調査書に記載された現地調査の結果に基づき土地の表示に関する登記がされた土地については、この限りでない。
(防衛庁設置法の一部改正)
 防衛庁設置法(昭和二十九年法律第164号)の一部を次のように改正する。
   第45条中第8号を第9号とし、第7号を第8号とし、第6号の次に次の一号を加える。
   七  沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法 (昭和五十二年法律第40号)による駐留軍用地等に係る各筆の土地の位置境界の明確化等に関すること。
   第55条中第8項を第9項とし、第3項から第7項までを一項ずつ繰り下げ、第2項の次に次の一項を加える。
3 那覇防衛施設局に置かれる防衛施設地方審議会は、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第13条第3項の規定による防衛施設庁長官の諮問に応じ、意見を述べることができる。
(沖縄開発庁設置法の一部改正)
 沖縄開発庁設置法(昭和四十七年法律第29号)の一部を次のように改正する。
   第4条中第8号を第9号とし、第7号を第8号とし、第6号を第7号とし、第5号の次に次の1号を加える。
   六  沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法 (昭和五十二年法律第40号)による駐留軍用地等以外の土地に係る各筆の土地の位置境界の明確化等に関すること。
   第5条第2項中「同条第5号」の下に「及び第6号」を加え、「同条第6号及び第7号」を「同条第7号及び第8号」に改め、同条第3項中「及び同条第5号」を「、同条第5号」に改め、「限る。)」の下に「及び前条第6号に掲げる事務(沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第22条の規定に係るものに限る。)」を加える。
 第9条第1項第1号中「及び第8号」を「、第6号及び第9号」に改める。
 第12条を第13条とし、第11条の次に次の一条を加える。
 (沖縄位置境界明確化審議会)
  第12条 総合事務局に、附属機関として、沖縄位置境界明確化審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第13条第3項の規定による沖縄開発庁長官の諮問に応じ、意見を述べることができる。
3 審議会の組織、委員の任命その他の事項については、総理府令で定める。
(沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律の一部改正)
 沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律(昭和四十六年法律第132号)の一部を次のように改正する。
   第2条第1項ただし書中「五年」を「十年」に改める。

   附 則 (昭和五八年一二月二日法律第78号)

 この法律(第1条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第160号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。


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